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09日 3月 2016

第6回 海外進出企業の落とし穴 その2   立上期の子会社支援、行う前にちょっと一読

前回は立ち上げ時におけるリスクの例を説明いたしましたが、今回はひとまず子会社の立ち上げが軌道に載ったところで、親会社と子会社間の取引が始まった場合を例に、落とし穴を考えてみたいと思います。

 

御社の海外子会社が製造した製品を御社が買い取りを行い、それを日本国内の顧客に販売するといったケースを想定してみましょう。

 

その際御社が気を利かせて、“最初のうちは大変だから、少し高く買ってやろう。”というようなことで、通常の購入価格より高めの金額で購入するとします。幾らで買おうと両者間の取り決めですから、別に構わないわけです。しかし税務上の取り扱いは、ちょっと違います。

 

税務の考え方としては

”本来もっと安く買えましたよね。高く買って日本から海外に必要以上の金額を支払いましたね。それは子会社に対してだから行うのでしょうが、子会社以外から同じものを買うとしたら、そんな金額払いませんよね? 従ってあなたの会社が子会社に支払った実際の購入価格では無く、他の企業との取引であればこの程度の金額で買えるという価格で買ったことにします。そうすることで日本から必要以上の金額を海外に支払うことにより、日本での利益が海外に必要以上に移るのを避けることにします。”

といった考え方をします。一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、このような考え方を移転価格税制と称し、実際に購入した金額とは異なり、独立した企業間の取引であればこのような金額になるだろうという金額を税務上の適正な取引価格であるとして、購入金額を修正させられる訳です。

 

ただその場合には、子会社がある国の税務当局側と日本の税務当局が協議を行い、子会社が販売した金額についても、税務上日本側で妥当とした金額にしてもらわなければ、整合性が保てません。すなわち日本側では購入価格を税務上は実際より低い金額にされましたので、コストが減り、利益が増加し、税額が増加しますが、逆に子会社側では税務上売上金額を少なくし、利益を少なくしてもらい、税額も下げてもらう必要があります。

 

国際間の取引については、双方の国における利益の分配が常に問題となるために、取引価格の妥当性が問われることになり、その価格の妥当性について両国間で合意を得るために相当な時間を要するケースが少なくありません。

 

移転価格税制は非常に難しいと言われますが、この適正価格(独立企業間価格)の決定が技術的に難しいからであります。

 

このように国際取引については、当事国間での税金の奪い合いが発生するため、いろいろと厄介な問題が発生して参ります。

 

また日本の移転価格税制においては、対象とされておりませんが、東南アジアなどでは国内における関係会社間の取引においても、移転価格税制の適用がある国もあります。その大きな理由としては、いろいろな税率の法人が存在し、例えば経済特別区に立地する企業では、事業開始後数年は法人税免除といったケースもあるからです。

その様な場合には、法人税が免除の法人に利益を移転させることとで、グループ全体の税負担を下げることが可能になるため、国内取引においても、価格の適正性について、チェックする必要がある訳です。

 

タックスプランニングの要点として、税率の低いグループ企業に利益を集めるということは基本ですが、その場合にもきちんとルールを踏んで行なわないと、後で痛い目に合うケースが多々ありますので、注意が必要です。

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原高明公認会計士・税理士事務所

 

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