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18日 5月 2016

第14回 パナマ文書で騒がれているタックス・ヘイブンとタックス・ヘブン税制とは

 皆様いかがお過ごしでしょうか。先週は石巻市水産業復興会議に参加させていただく機会がありました。ここでは県や市の職員の方が中心に、震災復興のための様々な施策を発表していました。そこで感じたのは、海外への事業展開を図るための諸施策が、復興計画における比重が高いということです。

 

 私もこの会議において、被災地での人材不足を補い、国際化を行う上での英語が話せる人材の確保ということで、フィリピン人技能実習生の活用について提案を行って参りましたが、今後地方においても国際化の流れが一段と加速するであろうという印象を強くして参りました。

 

 私としても今回の会議を通じ、宮城県のみならず東北地方を中心とする中小企業様の国際化の支援について、更に気を引き締めていかなければという思いを強くいだきました。

 

 現在国際化(人材活用、海外への販路開拓、海外進出)を進めていこうとお考えの中小企業の皆様に声を掛けさせていただき、皆様と一緒になって東北地方の国際化を推し進めていいたいと考えております。ご賛同いただける方のご一報をお待ちしております。

 

 さて話は変わりますが、最近パナマ文書という言葉を多く耳にする機会があると思います。ここでは各国の首相などがタックス・ヘイブン国を利用して、本来であれば自国に納税すべき税金を回避しているといった実態が明らかにされておりますが、そもそもタックスヘイブンとはどのようなものでしょうか。

 

 簡単に言えば “タックス・ヘイヴン(tax haven)=税の回避地” とは、一定の課税が著しく軽減、ないしは完全に免除される国や地域のことです。

 

 この税制の名前を初めて聞いた時、 “税金の天国=タックス・ヘブン(tax heaven)” すなわち、税金が無い、もしくは低税率の国、地域と思う方も多いと思いますが、その点お間違え無いようにお願いします。

 

 今回法人税などの税金が免除される国(タックスヘイブン)にペーパーカンパニー(実態のない会社)を作り、自国の税を逃れる対策を行っていたことが明るみに出たわけです。

 

 通常このようなペーパーカンパニーの情報は基本的に非公開ですから、その会社の代表者が誰かわからない様になっていますし、第三者が調べられるものでもありません。このように、完全秘密情報が守られている中で、海外の企業はこのような税金がかからない国(タックスヘイブン)に全く関係のない会社を装ったペーパーカンパニーを作り、自国の税収から逃れ、資産運用をしていたことが、今回明るみになったわけです。

 

 日本ではこのようなタックス・ヘイブンを利用した租税の回避を防止するためにタックス・ヘイブン税制というものがあります。

 

 この税制を非常に簡単に説明したいと思います。

 

 世界中には日本と比べ、税率が低い国が数多く存在します。その中には法人税がないという国も存在しますし、日本の企業が多く進出するシンガポールや香港といった国(地域)も、16%〜17%といった法人税率となっています。(なお法人住民税はありません。)そうすると、日本ではなく、このような低税率国において多くの利益が発生するような仕組みを作れば、大きな節税につながるという考えを持たれると思います。そのため本社をシンガポールなどに移転するといった企業も数多く見られます。

 

 その一方、低税率国に会社は作りますが、その国の企業は殆どペーパーカンパニーのような状況で、実質的なオペレーションは行っていないのに、その会社が利益を上げるようにして、節税を図るようなことを考える方もおられます。

 

 例えば日本の親会社のアジア市場向けマーケティングカンパニーといった名目でシンガポールに子会社を作り、その会社にアジア市場向け売上の数パーセントをマーケティング料として支払うといったケースが考えやすいと思います。

 

 ここでシンガポールの会社が実質的にマーケティング活動を行っていれば、適切なマーケティング料を支払うことは全く問題ありません。

 

 しかし、実際にはマーケティングを行っていないような場合でも、シンガポールでの税率が低いということで、日本からマーケティング料を支払うといったことを考える方がいます。そうすると日本側では実際に支払う必要にないマーケティング料をシンガポールに対して支払うので、日本での税金が少なくなります。例えばシンガポールの法人税率が17%、日本での法人税実効税率が30%とした場合に、1億円のマーケティング料を年間支払うとすれば、親会社、子会社合わせて13百万円の節税が図ることが出来る計算になります。

 

 日本の税務当局としても、このマーケティング料の支払いに合理性があれば問題視しませんが、実際にマーケティング活動を行っていない会社に対して支払われ、日本での課税が出来ないとなれば黙っているわけには行きません。

 

 そこでこのような場合には、シンガポール法人が得た1億円の収入(利益)は、日本の株主の利益として、日本の親会社においてシンガポール法人の利益分もプラスして納税を行うことになります。このような仕組みをタックス・ヘイブン税制と称し、低税率国を利用した税金の回避を防止するようにしているわけです。

 

 次回はこのような租税回避の意図は無いにもかかわらず、タックスヘイブン税制の対象となったケースについて、説明したいと思います。

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原 高明公認会計士・税理士事務所

 

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